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- 製造ライン
- ヒドロスタルポンプ
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北海道河東郡士幌町の農産物加工会社、株式会社北海道フーズでは、冷凍カット野菜の製造ラインにおける工程間流送と残渣排出に、ヒドロスタルポンプを活用されています。同社冷凍食品部部長の遠山真光氏と同部製造課主任の木原尚人氏に、ヒドロスタルポンプの稼働状況とその評価をお伺いしました。
株式会社北海道フーズについて
士幌町農業協同組合が100%出資。士幌町の農産物を付加価値のある加工食品として販売することを主眼に1973年に設立。現在は士幌町のみならず十勝管内から広く農産物を受入れ、冷凍カット野菜(ジャガイモ、ニンジン、トウモロコシ等)、スナック菓子(ポテトチップス等)及び調理食品(コロッケ等)を製造。年間あたりジャガイモ約24,000トン、ニンジン約8,000トン、トウモロコシ約9,000トンを加工(原料ベース)。 工場面積4万m²。従業員850名。
(※文中に記載されているお客様の役職や数値などの情報は、いずれも取材した2012年8月時点のものです。)
ヒドロスタルポンプの稼働状況を教えてください。
現在、冷凍食品部門の工場でヒドロスタルポンプが5台稼動しています。
うち4台は、ジャガイモおよびニンジンの加工ラインで、選別・切断・湯通し工程における工程間流送に使用しています。 残り1台は、トウモロコシ加工ラインで残渣の排出に使用しています。 30年前の1982年にヒドロスタルポンプを1台導入し、その後ポンプの追加や既設ポンプの更新を適宜行い、現在は5台体制になっています。
ヒドロスタルポンプ導入状況
導入部門 | 導入ライン | ライン処理能力 (材料ベース) |
ヒドロスタルポンプ |
---|---|---|---|
冷凍食品部 (冷凍カット野菜工場) |
ジャガイモ・ニンジン 加工ライン [ 4台 ] |
15t/h | 材料の選別・切断・湯通し 工程における工程間流送 |
トウモロコシ 加工ライン [ 1台 ] |
30t/h | 残渣排出 |
各加工ラインの主な製品
ライン | 製品 | サイズ |
---|---|---|
ジャガイモ・ニンジン 加工ライン |
冷凍フレンチフライ (ストレートタイプ) |
幅7~9mm |
冷凍フレンチフライ (クリンクルタイプ) |
幅12mm | |
冷凍フレンチフライ (シューストリングタイプ) |
幅4~7mm | |
冷凍フレンチフライ (1/8カットタイプ) |
幅15~30mm | |
冷凍ダイスポテト | 5~15mm角 | |
冷凍スライスポテト | 厚さ5~10mm | |
冷凍ダイスキャロット | 5~15mm角 | |
トウモロコシ 加工ライン |
冷凍ホールコーン | – |
- ジャガイモ・ニンジン加工ラインで、切断機から選別台への流送に使用されているヒドロスタルポンプ(写真左下)。
- ジャガイモ・ニンジン加工ラインで、切断後の選別工程から湯通し工程への流送に使用されているヒドロスタルポンプ(写真右下)。
- ジャガイモ・ニンジン加工ラインで加熱工程への流送に使用されているヒドロスタルポンプ
「薄くカットしたジャガイモを流送し
ても、ヒドロスタルポンプだと
折れません」
冷凍食品部 部長 遠山真光氏
ポンプ流送を採用している主な理由は、
1、限られたスペースに多種多様な加工機械を配置するため
2、上層階・下層階への材料搬送をスピーディーに行うため
3、生産ラインを柔軟に変更できるようにするため
の3つです。
当工場は、一部が3階建てになっています。各階に、洗浄機・皮剥機・切断機・選別台・茹で機・油揚機・凍結機など、様々な大型加工機を配置する必要があります。また、製品の種類・カットサイズ・生産量などに応じて、生産ラインを柔軟に変更する必要もあります。
このため、搬送距離・高低差・経路の制約が少なく、経路変更が容易なポンプ流送を活用しています。
スライスポテト。
通常の遠心ポンプで流送する
と割れてしまう。
評価1:固形物を壊さず流送できる(=歩留り向上に貢献)
他メーカーのポンプを使用していた頃は、厚さ5mm~7mmにスライスしたジャガイモや、幅7mm~15mmに細長くカットしたジャガイモを流送すると、多くの材料がポンプ内で壊れ、歩留りが低下していました。
ヒドロスタルポンプですと、こうした薄い材料や細い材料を流送しても、折れたり割れたりすることがほとんどありません。カット面を滑らかにするため湯通しして柔らかくしたジャガイモも、壊さず流送できます。
「ヒドロスタルポンプの
メンテナンスは本当に楽です」
製造課 主任 木原尚人氏
評価2:詰まらない・止まらない(=材料の鮮度低下防止に貢献)
トウモロコシの残渣を他メーカーのポンプで排出していた頃は、葉やヒゲが頻繁にポンプに詰まり、そのたびに生産ラインを止めて詰まりを除去していました。ヒドロスタルポンプを導入してからは、葉やヒゲが詰まることがなくなりました。トウモロコシは収穫後鮮度が落ちるのが早いので、たとえ5分でも生産ラインを止めたくありません。詰まらないので止まりにくいヒドロスタルポンプは、トウモロコシ加工になくてはならないものになっています。
評価3:メンテナンスに手間がかからない
ヒドロスタルポンプは、5年に1度のスリーブ交換以外、ほとんどメンテナンスの必要がありません。3年おきに蓋を開けて中を点検していますが、修理や部品交換が必要になることはまれです。他メーカーのポンプのようにグランドを毎年交換する必要もありません。
「手間要らずのポンプ」という印象です。
ラサ商事よりコメント ~ ヒドロスタルポンプの無閉塞・非破壊流送のメカニズム
ヒドロスタルポンプは、通常の遠心ポンプとは異なり、羽根車がスクリュー状になっています。
このため、流送物がケーシング内で緩やかに流れ方向を変え、スムーズに排出されていきます。
ヒドロスタルポンプで流送物の破壊や閉塞が起こりにくいのはこのためです。
「今後ともよろしくお願いいたします」
(右端:ラサ商事札幌支店 石川拓二)
ヒドロスタルポンプの総発売元であるラサ商事への評価をお聞かせください。
ラサ商事札幌支店の担当者は、ほぼ2カ月に一度当工場を訪問し、ヒドロスタルポンプの稼働状況をヒアリングしてくれています。
昨年ヒドロスタルポンプを追加導入した際は、当工場での用途に最適な出力・回転数を判断するため、終業後の夜間に工場を訪れて流送量や流送距離を調査してくれました。
札幌から車で3時間の距離も厭わない担当者のフットワークの良さも評価しています。
最後に今後の抱負と、ラサ商事への期待があればお聞かせください。
北海道フーズでは、今後も地元十勝の風味豊かな農産物を材料に、安全で付加価値の高い加工製品の生産に努めて参ります。
ラサ商事には、生産現場で発生する様々な問題を解決するポンプと機械設備の提案を期待します。
株式会社北海道フーズ
TEL:01564-5-2011
※工場内のため、大きな機械音がします。音量にご注意ください。
- インタビュー動画1
- インタビュー動画2
南米ペルーの基幹産業である水産業の発展に寄与したヒドロスタルポンプ
荷揚げ設備が整備されていない1950年代のペルー港湾で、漁船から加工工場や貯蔵庫にイワシを搬送したり、大型漁船が漁網から魚を生きたまま傷つけずに水揚げする為に開発されたのがヒドロスタルポンプです。
このポンプを開発したのはスイス人技術者でヒドロスタル社の創設者であるマーティン・シュテーレ氏です。 ペルーでの大成功を受け、現在では全世界でヒドロスタルポンプが販売されています。
日本ではラサ商事が1980年より販売を始め、その後1982年から大平洋機工での国産化を行うようになり現在に至っています。 「非破壊」「無閉塞」という特徴を持つヒドロスタルポンプは、日本国内の様々な分野で採用されています。
ヒドロスタルポンプの採用 | |
---|---|
食品工場 | カット野菜、大豆、アスパラガス、梅、海草、トマト、みかん、カニ肉、剥きエビ、ゆで卵他 |
化学工場 | ペレット、フロック、結晶、イオン交換樹脂他 |
下水処理場 | 初沈汚泥~濃縮汚泥の各種処理工程、長距離圧送、し渣移送、スカム移送他 |
し尿処理場 | 高負荷循環ポンプ、汚泥処理他 |
湿式不織布 | ファンポンプ、白水、パルパー、スーパークロン、マシンチェスト、クーチピット、配合他 |
製紙工場 | チップ移送ポンプ、パルパー引抜き、ヤンソンスクリーンリジェクト、排水(チップ・リジェクト等混入)他 |
原料を傷つけずにポンプ移送したい
住友大阪セメントでは、全国4工場で年間約12万トンの有機汚泥(含水率70~80%)をプツマイスターを使い、圧送しています。プツマイスターポンプを採用した経緯と効果について詳しく聞きました。
醸造タンクへの投入が人力であった
住友大阪セメントでは、全国4工場で年間約12万トンの有機汚泥(含水率70~80%)をプツマイスターを使い、圧送しています。プツマイスターポンプを採用した経緯と効果について詳しく聞きました。
攪拌・移送工程を省力化したい
住友大阪セメントでは、全国4工場で年間約12万トンの有機汚泥(含水率70~80%)をプツマイスターを使い、圧送しています。プツマイスターポンプを採用した経緯と効果について詳しく聞きました。
カットオレンジを加工装置へ投入する方法が人力であった
住友大阪セメントでは、全国4工場で年間約12万トンの有機汚泥(含水率70~80%)をプツマイスターを使い、圧送しています。プツマイスターポンプを採用した経緯と効果について詳しく聞きました。
製塩会社(塩)
住友大阪セメントでは、全国4工場で年間約12万トンの有機汚泥(含水率70~80%)をプツマイスターを使い、圧送しています。プツマイスターポンプを採用した経緯と効果について詳しく聞きました。
繁忙期の移送をスムーズにしたい
住友大阪セメントでは、全国4工場で年間約12万トンの有機汚泥(含水率70~80%)をプツマイスターを使い、圧送しています。プツマイスターポンプを採用した経緯と効果について詳しく聞きました。
食品製造時の歩留まりを改善・
向上したい
住友大阪セメントでは、全国4工場で年間約12万トンの有機汚泥(含水率70~80%)をプツマイスターを使い、圧送しています。プツマイスターポンプを採用した経緯と効果について詳しく聞きました。
カットオレンジを加工装置へ投入する方法が人力であった
お客様より、カットオレンジの移送についてご相談を頂きました。オレンジを使った加工食品の製造にあたり、なるべく傷つけないように移送したいとのご要望でした。これまで、加工装置への原料投入は人力で実施。大量投入の作業効率アップをしたいとのことでした。当社の【食品移送用非破壊ポンプ】で試験的に移送してみたところ、結果は良好、正式導入頂きました。人力で輸送するより作業効率が高く、また、コンベヤ輸送よりも設置レイアウトが自由に出来る配管輸送で、設備としての付加価値が高まりました。
梅酒用梅の醸造タンクへの投入が人力であった
お客様より、生梅の移送についてご相談を頂きました。梅酒製造にあたり、生梅を醸造タンクに人力投入してましたが、より効率的に移送したいとのご希望でした。梅酒においては、生梅も製品です。そのため、傷つかないように移送することが大前提です。当社の【食品移送用非破壊ポンプ】で試験的に移送してみたところ、結果は良好、正式導入頂きました。今回のポンプは、キャスターをつけた可搬仕様とすることで、工場内の様々な場所で活躍することが出来ました。お客様のご要望に応じたアプリケーションもご提案可能です。
製塩会社(塩)
海水を天日乾燥して天然塩を取りだす製塩。そこに求めれるのは、結晶を均一化する破砕力とそれを圧送できるポンプの力です。この2つを併せ持つサンカッタポンプが製塩工程には欠かせない存在となっています。