
ピストンポンプとは
ピストンポンプとは、代表的な容積式往復ポンプの一種で、身近なところでは手動式の井戸水ポンプがこれに当たります。ピストンポンプはシリンダー内部のピストンの往復運動によって液体を容積変化させて送液します。同じ容積式の往復ポンプには、プランジャーポンプがあり、大きな違いは、シールラインがピストン側にあることです(プランジャーポンプはシールラインが本体側にあります)。
一方で、容積式のポンプには、回転運動を利用して液体を送液するベーンポンプも存在します。ここでの大きな違いは、ピストンポンプが往復運動を利用するのに対し、ベーンポンプは回転運動を利用する点です。回転運動では、ポンプ内のロータを回転させることで発生する遠心力と油圧力でベーンが張り出し、カムリングの内壁に沿って回転することにより、液体を流入口から吐出口に送液します。
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ピストンポンプの特徴
ピストンポンプの特徴として、低含水率の搬送物を高圧で圧送出来ることが挙げられます。
駆動源として油圧が使用されるケースが多く、機種によっては、破砕されたドラム缶を剪断しながら圧送することも可能なほどのパワーを持ちます。尚、低含水率の搬送物は流動性が低い為、搬送シリンダー内へ供給するオーガーフィーダーがセットで使用されるケースが殆どです。
ピストンポンプの用途
ピストンポンプの用途は多岐にわたります。
発電所で発生する灰を高濃度の状態で埋立地まで圧送したり、下水汚泥の脱水ケーキを焼却炉まで直接投入する設備に導入されております。建設現場においては、コンクリートを高所へ直接圧送することも可能です。
さらに、様々なものが混入する産業廃棄物を、詰まらずに圧送することも可能です。
ピストンポンプの種類
ピストンポンプには、その構造によっていくつかの種類に分かれます。代表的なピストンポンプの種類をご紹介します。
・単動ピストンポンプ
ピストンが一方向に動く時にのみ流体を移動させるピストンポンプです。後述する複動ピストンポンプと異なり、戻る際には吸引は行われません。
・複動ピストンポンプ
ピストンが往復する両方向で流体を移動させるピストンポンプです。これにより、より均一な流れを実現します。
・斜板式ピストンポンプ
シリンダーブロックに配置されたピストンが、スワッシュプレートと呼ばれる斜板によって駆動する構造のピストンポンプです。シリンダーブロックが回転する時にスワッシュプレートの傾斜に沿ってピストンを往復運動させます。スワッシュプレートの角度を変えることで、ピストンのストローク長を変化させ、ポンプの吐出量を調整することができます。
・斜軸式ピストンポンプ
ピストンが配置されたシリンダーブロック自体が斜めに傾いており、これが回転することでピストンが駆動する構造のピストンポンプです。シリンダーブロックの傾斜角度により、ピストンのストロークが決まり、これによって吐出量を調整することができます。
ピストンポンプの原理・構造
<構造例>

ピストンポンプの原理は、ピストン(プランジャー)を往復させることでシリンダーの容積を変え、移送物を吸込・吐出を行います。
身近なものでは注射器や豆鉄砲を思い浮かべて頂くとイメージしやすいかもしれません。
動力として油圧を使用することが多く、その場合高い圧力を出すことも可能です。
大きな特徴として、粘性が高いスラッジや固形物交じりの移送物の圧送が可能な点を挙げられます。
ラサ商事は、これまで下水汚泥や産業廃棄物の圧送に豊富な経験を持ち、お客様のご要望に応じた最適なポンプをご提案することが可能です。
詳細はお問合せ頂くか、構造や仕様が記載されたカタログをご覧ください。
ラサ商事の取り扱うピストンポンプ
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