
ダイヤフラムポンプとは

ダイヤフラムポンプとは、ダイヤフラム(隔膜)を具備した容積式ポンプです。このダイヤフラムを変形させ、ポンプ室内の容積を変化させることで送液する機構となります。
容積式ポンプは一般的には定量性を持ち、決まった量の移送を行う事が出来ます。駆動方式にはエアー駆動式、油圧駆動式、モーター駆動式などがあります。
ダイヤフラムポンプの特徴として、シール部や摺動部が無い事が挙げられます。その為、送液内への異物混入のリスクが低くなります。一方、その機構上、脈動が発生します。
ダイヤフラムポンプの仕組み・動作原理
ダイヤフラムポンプは、ダイヤフラムと呼ばれる弾性膜の運動による圧力の変化を利用し、移送液の吸込・吐出を行います。ダイヤフラムは、ピストン等の往復により運動しますが、それによりポンプ室の容積を変化させます。
ダイヤフラムが引かれると減圧、移送液がポンプ室内に充填されます。ダイヤフラムが押されると圧力が増加、移送液を押し出します。このポンプにおいては、移送方向が一定となるように吸込側、吐出側にそれぞれ逆止弁、ないしはそれに準ずる機構が必要となります。
この構造により、一定量を移送する定量性や、高濃度・高粘度流体の移送、また比較的高い圧力を出すことが出来るポンプとなります。
ここからは実際のダイヤフラムポンプの動作をご説明します。
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1.油圧ピストンの前進開始油圧ピストンが前進し油を高圧で押入れます。

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2.ダイヤフラムの収縮:吐き出しピストンの圧力によってダイヤフラムが収縮します。すると、上部の逆止弁を押し上げて液体が排出されます。下部の逆止弁も下に押し下げられますが、ストッパーがありこれ以上は下がらないような構造になっているため、液体が流れることはありません。

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3.油圧ピストンの後退開始ピストンが限界まで押入れすると、続いては後退を開始します。

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4.ダイヤフラムの拡張:吸引ピストンが後退すると、ダイヤフラムが拡張します。それにより、下部の逆止弁が吸い上げられ液体が吸引されます。

このように、油圧によってダイヤフラムが収縮、拡張し液体が移動しますが、逆止弁によって一方方向にしか動かない構造になっているため、液体を移送することができるのです。
ラサ商事のダイヤフラムポンプの特徴
ラサ商事では、画期的なホースダイヤフラムを採用したフェルバポンプを取り扱っております。
移送液と作動油の間には、二重のダイヤフラム(ホース+ダイヤフラム、またはホースダイヤフラム×2)を配置し、さらに作動液(水)を封入しております。この独自構造により、従来のダイヤフラムポンプに比して、安定的な運転が可能となりました。
フェルバポンプ製品一覧
フェルバポンプ ホース・ダイヤフラムポンプ
ホース・ダイヤフラムポンプ
移送液と作動油室を二重構造で隔離。
より安全性を重視した構造で移送します。
- 用途
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下水汚泥、浄水汚泥、鉱業、窯業、セメント、化学工業、製紙等のあらゆる業種のスラリー液やその他に塗料、油脂等の粘性物輸送、フィルタープレス打込液給液並びに高圧容器への供給ポンプとして豊富な実績があります。
フェルバポンプ ダブルホースポンプ
ダブルホース・ダイヤフラムポンプ
シンプル&コンパクトな構造で
移送液と作動油の混入を防止したダブルホースタイプ。
- 用途
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様々なスラッジ・スラリーの他、染料サスペンジョンや樹脂混合物・ラテックスなどに対応。化学分解、製薬分野、バイオテクノロジー、食品産業他。
フェルバポンプ 小型ダブルホース・ダイヤフラムポンプ
小型ダブルホース・ダイヤフラムポンプ
コンパクトなダブルホースポンプ。
小型ながら低圧から高圧まで高いコストパフォーマンスを実現。
- 用途
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ケミカル分野、超臨界・亜臨界プロセス分野。
ポンプ活用事例
ダイヤフラムポンプ導入で解決できる課題
よくあるご質問
- ダイヤフラムポンプとは、どのような仕組みのポンプですか?
ダイヤフラム(隔膜)を往復運動させることで、ポンプ室の容積を変化させ、液体を吸入・吐出するポンプです。「容積式ポンプ」の一種に分類されます。
- ダイヤフラムポンプの最大のメリット(利点)は何ですか?
①液漏れに強い:駆動部と接液部がダイヤフラムでに仕切られているため液漏れがしにくい。②スラリーに強い:固形物を含む液体(スラリー)や、渦巻ポンプで送れない粘度の高い液体の移送が可能です。
- ダイヤフラムポンプのデメリット(注意点)はありますか?
往復運動で液体を送るため、吐出する流れに「脈動(流れの波)」が発生します。精密な定量供給が必要な場合や、配管の振動を嫌う場合は、アキュムレーター(脈動減衰器)の設置などの対策が必要です。
- 駆動方式にはどのような種類がありますか?
エア駆動式:圧縮空気を動力源とする方式。防爆性が必要な現場でよく使われます。
モーター式(機械式):モーター駆動で油圧ピストンを往復させダイヤフラムを駆動する方式。高圧・高流量に対応できます。
- 「エア駆動式」ダイヤフラムポンプの特徴と適した用途は?
エア駆動式は構造が単純で保守が容易であり、防爆エリアや可燃性ガスがある環境でよく使われます。駆動源が空気のため、変速はエア流量の調整で行います。比重や粘度の高い液体の移送にも使われますが、流量制御は電動ポンプに比べて難しい場合があります。
- 「油圧式」ダイヤフラムポンプの特徴と適した用途は?
油圧式はモーター駆動の油圧ユニットを用い、高圧・大流量を得やすい方式です。高圧スラリーの送液やフィルタープレスへ供給する用途など、大きな力が必要な場合に適しています。
- ポンプを選定する際に、最低限必要な情報は何ですか?
輸送する流体の種類(比重、粘度、スラリー含有の有無など)
必要流量(L/min または m3/h)と必要圧力(吐出圧、MPaなど)
使用温度や化学的耐性(腐食性の有無、pH等)
設置環境(防爆、屋内外、電源等)
粒子サイズや最大含有量(固形物の有無)
- 粘度の高い液体(高粘度液)の移送はできますか?
可能です。エア駆動式・油圧式の各機種で高粘度液対応型の製品があります。ただし、駆動方式によっては制約があるため、具体的な粘度(cP)や温度条件を提示して選定する必要があります。
- スラリー(固形物を含む液体)の移送は可能ですか?
可能です。特に油圧式やエア駆動式のダイヤフラムポンプは、スラリーや泥状の流体に比較的強いものがあります。粒子の大きさや硬さ、含有量により機種選定が必要です。
- 腐食性のある薬液(酸、アルカリ)を送ることはできますか?
可能です。接液するバルブ、ダイヤフラムなどの材質を耐食材(PTFE、耐食性ゴム、ステンレス等)にすれば送液できます。ただし、温度や濃度によっては材質の制約があるため、事前に仕様確認が必要です。
- 主な消耗品は何ですか?
主な消耗品は以下です。
ダイヤフラム(隔膜)
バルブ類(バルブボール、バルブシート)
Oリング・シール類
- ダイヤフラムの交換時期(寿命)の目安はどれくらいですか?
流体の種類、圧力、温度、稼働時間など、ご使用の条件によって大きく異なります。摩耗性の高いスラリーや腐食性の高い薬液、高温流体の場合は、定期的な点検と早期の交換が必要になることがあります。
- 吐出不良のときの対策を教えてください。
吸込み側や配管の閉塞:配管やストレーナーを点検・清掃する。
バルブの損傷やシート不良:バルブやシートを点検・交換する。
ダイヤフラム損傷:ダイヤフラムを交換する。
エア駆動式の場合:エア供給圧やバルブの動作を確認する。
モーター式の場合:駆動系(カップリング、モーター)を点検する。
- 流量を調整(コントロール)することは可能ですか?
可能です。油圧式ではインバータでモーター回転数を変えたり油圧バルブの調整で流量制御ができます。エア駆動式ではエア供給量やエア弁の調整で流量を変えられます。また、ストローク調整が可能な機種ではダイヤフラムの往復幅を変えることで流量を制御できます。
ラサ商事のワーマン®ポンプ

- 接液部品の材質選定により、あらゆる液体及びスラリー移送が可能です。
- ポンプ構造が簡単で、分解・組立などのメンテナンスが大幅に省力化できるため、整備に手間がかかりません。
- 羽根車・ライナー等は耐摩耗性に優れています。
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ワーマン®ポンプ関連製品














































