ワーマン®ポンプ ワーマン®SCポンプ
スラリーポンプの代名詞。
摩耗に強く、腐食性のある液等にも幅広く対応します。
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スラリーポンプの代名詞的存在の製品です。二重ケーシング構造で耐摩耗性に優れ、腐食にも強さを発揮します。また遠心力による軸封装置を有することで液漏れをしっかり防ぎ、様々な溶液に対応が可能。メンテナンス作業が簡単なのも魅力です。
[ケミカルスラリーポンプ 大平洋機工株式会社]
スラリーポンプの代名詞的存在で知られるワーマン®ポンプ。その中においてケミカルスラリーポンプとして現場でパワフルに活躍しているのが、ワーマン®SCポンプです。
半導体製造工場をはじめとした先端技術工場における各種排水処理施設、リチウムイオン電池の正極材製造ライン、都市鉱山におけるレアメタル回収設備など、様々な現場で活躍しています。
ワーマン®SCポンプはセミオープン型のインペラーを採用しております。その為、通過粒径が広く、固形物などによる詰まりが少なくなります。また、特徴的な二重ケーシングを採用。各種材質の選択により腐食性の高い揚液、摩耗性の高い揚液、その両方を組み合わせた揚液など、様々なシチュエーションに対応可能です。
また、部品の点数が少なく、単純な構造です。その為、メンテナンス時の分解・組立が容易となり、安定的な設備稼働に貢献します。
スラリーポンプの選定においては、流量・揚程などの仕様に加えて、濃度や固形物の大きさ(粒径)と形状、さらに粘度、温度、腐食性、摩耗性など、様々な要素を総合的に判断して行う必要があります。
各現場におけるお困りごとは、ラサ商事が長年の経験と実績を元に最適なソリューションをご提案します。
接液部品の材質を選定でき、多種多様な溶液・スラリー液に対応します。
接液部の二重構造により(ライナー式)接液部品のみの交換が可能。
ポンプ構造が簡単なため、分解・組立などのメンテナンスが容易です。
羽根車・ライナーは耐摩耗性に優れ、摩耗が進行した際にも性能を回復させる機構を持っています。
メカニカルシール又はエキスぺラ―による遠心式軸封装置により液漏れを防ぎます。
負荷容量の大きいベアリングを採用し、長寿命化を図っています。
高濃度の摩耗性が高いスラッジやスラリー液、腐食性の高い化学薬品等あらゆるプロセス液の移送。
ワーマン®ポンプの機構・構造・仕組み
ワーマン®ポンプのSC型はセミオープン型(写真1)、シリーズA型はクローズ型(写真2、一部機種は除く)を採用しています。
セミオープン型、クローズ型とも固形物を流送することから、羽根幅を大きくし、閉塞を抑制する形状としています。
また、摩耗が進行しても著しく性能が低下することを防ぐため、摩耗代(しろ)を設定し羽根を厚くしています。
ケーシング
ケーシングは、二重ケーシング構造を採用しており、外側の鋳鉄製ケーシングの内側に金属鋳造品またはゴム成型品の交換可能なライナーを取り付けます。
ケーシングは交換作業が容易になるよう2~4分割しています。損耗の状況により交換が必要な部品のみを交換することで性能を復帰させることができ、経済的です。
軸封
軸封装置には、「グランドパッキン」、「エキスペラーシール」、「メカニカルシール」の3タイプがあります。
この中から、揚液、ポンプ仕様及び客先要求も踏まえ、適切な軸封装置を選定します。
軸受部
ワーマン®ポンプの基本的な軸受構造は清水用の遠心ポンプと同じですが、清水と比べほとんどのスラリーは密度が高く、粘度も高い傾向にあり、軸受負荷が大きくなります。
また、羽根車の摩耗により不釣合いが生じ、振動が大きくなるなど軸受への負荷が増加することが考えられます。このような軸受負荷に耐え得るフレーム構造と高負荷容量のアンギュラ玉軸受、円筒ころ軸受等を採用しています。
接液部材質
ポンプ揚液に接する接液部の材質は、耐摩耗性、耐食性を考慮した金属材質及びゴム材質を各種用意し、あらゆる揚液に対応できるようにしています。
関連コラム
ポンプの接液材質変更の様子
ワーマン®ポンプとは
ワーマン®ポンプとはオーストラリアのCharles Harold Warman氏によって発明されたポンプです。二重ケーシング構造などを様々な画期的な構造により、その後のポンプ業界にも大きな影響をもたらしました。天然資源が豊富なオーストラリアは、鉱業が盛んですが、その鉱山における過酷な採掘現場での使用を目的に開発されました。その為、耐摩耗性に大変優れております。その特徴から、火力発電所における原料や石炭灰の移送や、海洋開発における海底熱水鉱床からの鉱物移送といった、耐摩耗性の高さが求められるスラリー移送の現場で活用しています。
能力表
ポンプ サイズ |
口径 (mm) |
標準適用範囲 | ||
---|---|---|---|---|
吸込側 | 吐出側 |
吐出し量 (m3/min) |
全揚程 (m) |
|
1-3/4 SC | 25 | 20 | 0.015~0.22 | 6~50 |
50-40 LSC | 50 | 40 | 0.05~0.5 | 6~44 |
3-2 SC | 80 | 50 | 0.15~1.00 | 6~45 |
4-3 SC | 100 | 80 | 0.50~2.20 | 6~48 |
6-4 SC | 150 | 100 | 0.85~3.50 | 6~50 |
8-6 SC | 200 | 150 | 2.20~8.50 | 6~50 |
10-8 SC | 250 | 200 | 3.80~14.00 | 6~48 |
※詳細については弊社営業担当までお問合わせ下さい。
火力発電所(排煙脱硫装置)
化石燃料の燃焼時に発生する排気ガスに含まれる硫黄酸化物を除去するために稼働している排煙脱硫装置。そこでガス吸収液を循環させているのがワーマン®ポンプです。高い耐腐食性が評価されています。
火力発電所 揚運炭設備(石炭・石炭スラリー)
揚運炭設備では、船で運ばれてきた石炭への散水・設備の洗浄で発生した排水を処理施設へ送る場合にもポンプが活躍。丈夫で長持ちするワーマン®ポンプが数多くの現場に導入されています。
火力発電所 灰処理設備(石炭灰)
石炭の燃焼時に発生する石炭灰は、再利用の取り組みが進んでいますが、移送に関しては摩耗性の高さが懸念されていました。その課題を解決したのが、耐摩耗性の高さで世界的に実績のあるワーマンシリーズAポンプです。
浄水場(汚泥脱水)
河川の水を取り入れ、水を浄化する浄水場においてポンプ内部の破損でオイルが水に混入することは、どんなことがあっても防ぐ必要があります。そのために独自の二重構造を持つフェルバポンプが各地の浄水場で導入されています。
高炉(ダストスラリー・排泥スラリー)
高炉で発生する排泥を比較的距離のある処理施設に移送している現場は多くあります。粘性が高く、しかも遠くへ送るには、それにふさわしい機能を持つポンプが必要となります。